自己紹介

はじめましてhachapinと申します。まずは私のこととブログの目的を簡単に書いておきます。

<自己紹介>

HN:hachapin
twitterID:@hachapin2

年齢:20代

学歴:学部卒

関心:人間・言語・社会・社会問題

<ブログの目的>

・社会の見方や社会に対する不満・不安を共有すること。

差異が叫ばれつつ価値観が収束していくことに対する戸惑い、「市場価値」という単一の評価軸での競争に対する嫌悪・疲れ、このようなことを感じている人は多いと思います。変だ変だとは思っていても、口に出せば「なんで?みんなやってるんだからいいじゃん!」と言われてしまう。社会の見方・価値観を相対化したり、不平・不満を言うこと自体がどんどん難しくなっています。1つの見方・価値観を絶対化し、文句も言えない社会ほど怖ろしい空間はないでしょう。そうならないためにも、当ブログでは少しひねくれた?社会の見方を提供したり、人が言わないような文句を言っていきたいと思います。

・緩い連帯をつくること

社会は常に変化するものなので、グローバル化の流れもこれから加速していくのでしょう。まあ変化すること自体に良し悪しは無いのでしょうが、今の変化は速すぎやしませんかね。個人も常に変化して適応するとは言っても、急な変化にそう何度もついていけるものではないでしょう。もはや「自己責任」ですむ状態ではないと思うので、個人が複数の人間・コミュニティと緩くつながれればと。関係を切るのも復活させるのも、コミュニティを掛け持ちするのも移動するのもお好きにどうぞ的な。


<カテゴリー紹介>

・自分
自分を掴むための考察。

・考察あるいは雑感
人間や社会について考察します。重箱の隅をつつくような話だったり、一般的な話だったり、常識に反抗してみたり。新鮮な見方を提供できるよう努めます。

「考察」と「雑感」との線引きがよくわからなくなったきたのでまとめることにしました。半年前の「考察」より今の「雑感」の方がちゃんと考察しているような場合もありますし。

・テレビドラマから学ぶシリーズ
テレビドラマを観て何かしらを引き出そうと試みます。

・本・映画
読んだ本や観た映画を紹介します。「こういう解釈もあるのかー」と言われるように頑張りたいですね。

クロ現・ハートネットTV・ニュース
クロ現とハートネットTVの感想、またニュースの考察を書いていきます。

・コメント返信
コメントの返信は記事を使って行う場合があります。ですから、記事内で取り上げないでほしいという方は、お手数ですがコメントする際に何か一言言っていただければと思います。質問・批判コメントに対しては基本的には返信しますので、目的なり根拠なりはちゃんと書いてくださいね。それ以外のコメントに対しては可能な限り返信するよう努力します。

<ルール>
・更新ペースは週に一回(日曜から月曜へ日付けが変わるとき)とする。
・1記事の文字数は2000字以内を基本とする。
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貧困問題を語る中学生たちの憂鬱

「NHKの貧困女子高生の報道、みた?」

「ねつ造って言われて炎上してたね」

「そうなの?」

「お金がなくて専門学校にいけません。PC買えないので学校のPCの授業についていけません」

「大変だ」

「そんで映った部屋にマンガ本やグッズがたくさんあったから、ネットの人たちが調べてペンが2万円だとか1500円のランチを食べてるとか7000円の舞台にいったとか、そういうことが明らかになった」

「だから炎上したんだね」

「親の収入や当人のバイト収入がどんくらいかはわからないけど、貧困ってのは事実だと思うよ」

「どうして?」

「モノの量をみたかぎり、その人は「残ったら貯金する」ってタイプだろうから。バイト代が入ったら欲しいモノを買っていって余ったら貯金しよう、ってな考えだと収入がいくらあってもお金はまず残らない。そんで買ってるモノもうん十万円もするモノじゃなく、数百円~数千円のモノでしょ。収入が少ないって言われたらそうなんだろうなと思うよ」

「余ったら貯金、じゃなくて給料出たらすぐ貯金じゃないとダメなんだね」

「専門学校に通うメリットがはっきりしないってのもあるんじゃない。ここがはっきりすれば浪費も我慢できるんじゃ」

「浪費を我慢すればPCぐらい買える!って言う人がけっこういたみたいだけど、これもPCのメリットが実感できないからだろうね」

「PCを買うのにメリットを実感してる人なんている?なんとなくみんな持ってるとか、そんな理由で買って、インターネットに時間を使うぐらいしかできてないでしょ。数万円分のメリットを実感できるほど、PC使えてる?大学にいって数百万円分のメリットを実感できる自信ある?はっきりとそういう意識を持って自制できる人って、どんぐらいいるのかね」

「メリットとか浪費とか言ってる時点で当人とは別の世界にいるってことでしょ。当人にとっては大きなメリットがあるから消費してるわけだし、心の支えになってたりするのかもしれない。他人のお金の使い道の良し悪しなんてこっちは判断できないよ」

「貯金とか、消費を我慢しろとか・・・・・・。そもそも消費を我慢するのは何のため?」

「はあ?貯金のためだよ」

「貯金するのは何のため?」

「専門学校や不測の事態に備えるため」

「不測の事態って?」

「病気とかで収入を失ったり、まとまったお金が必要になるかもしれないじゃん」

「専門学校にいくのは?」

「就職するためでしょ。こんな当たり前のことをきいて何がしたいの?」

「どこまでも賃労働と会社の都合に振り回されるのが「当たり前のこと」なんだなぁと思ってね。こっちは会社のために何ができるか考え、消費を我慢して自分に「投資」し、立派に奉仕できる人間にならねばならない。そんで景気の変動や病気で働けなくなった場合に備えて、せっせと貯金しないとダメなんだね」

「うわ・・・・・・」

「現代社会はね、ちょっと油断すると会社至上主義にはまるようにできてるんだよ。我慢して、「(就労するために)必要なモノゴト」に「投資」しなければならない。会社のために自制して、会社のために金を使わなければならない。会社に捨てられたときのために貯金しなければならない。本人がどう思っていようが、あらゆる行動の先に「会社のため」があって、あらゆる性質・能力を「会社のためになるか」で判断しているんだよ」

「「会社のため」を中心とする体系が生活に浸透し、「会社のため」を意識しているか否かに関わらず、会社の論理にどっぷり浸かっている」

「なんてこった」

「貧困問題で貯金しろとか消費を我慢しろとか思ったり、まじめに働けとか怒ったり、他人のお金の使い方に口を出したくなったとしたら、要注意だよ。会社の論理を内面化した労奴の道を進んでるってことだからね」

「さっさと毎月金を配るようにすればいいのにね。悩みごとが増えれば思考が圧迫され、衝動に負けやすくなる。注意力や集中力も削がれる。そんで現代の悩み事ってのは、多くがお金に関わることでしょうよ」

「貧困状態がさらなる貧困の原因になる」

「お金を配ることだね」

「いやあ、やっぱりお金を配るとなると不正しようとする人が出るから、本当に困っている人を探すのが大変になるんじゃないかな」

「みんなに配ればいいよ。誰が貧困で誰が違うとか、そういう言い合いもしなくて済むようになるし」

「いやあ、お金じゃ抜本的な解決にはならないんじゃないかな」

「誰もお金で抜本的に解決するなんて言ってないよ。お金は前提だよ、前提」

「いやあ、全部使っちゃったらどうするのさ」

「働いて稼いでください」

「いやあ、そんな突き放した考え方じゃ貧困層の気持ちが・・・」

「何が言いたいの?」

「やっぱりタダでお金を貰うなんて・・・」

「一番はまっちゃいけないとこだよね」

一同「はっはっは」


崇めよ我はバイトリーダーなり

「おい、バイトォ!新入りバイトォ!おっせーんだよ!作業がおっせーんだよ!」

「すいませんリーダー」

「なあ、お前、ここきて何日目だ?」

「3日目です」

「「もう」3日目だろうが!「もう」が足んねぇんだよ、「もう」が!」

「はあ、すいません」

「ちっ、なあ、お前X大だろ。X大、X大!頭いいんだろ、なあ、X大生、こんな作業、やらなくても覚えられるんじゃねーのか!」

「無茶言わないでくださいよ」

「じゃあ一発で覚えられるはずだろうが!なあ、なんでやんねーんだ?」

「無理だから・・・」

「この仕事をバカにしてるからだろ?なあ、X大ならできるはずだもんなぁ!?」

「大学でここでの仕事の勉強をしているわけではないので」

「はああああ!?おっまえ、この仕事バカにしてんの!?はぁ~、X大様は、こんな仕事眼中にないってか!?」

「リーダーは大学に何を期待されてるんですか?」

「えへ、えへ。X大生様ぁ、偉くなって、ボクを正社員にしてくださいよぉ。え?X大生様ぁ」

「何言ってるんですか?」

「お前、オレが専門出身だからって、バカにしてんだろ?」

「してませんよ」

「りーだー、新入リサン、チャントヤッテルヨ」

「お~い、ダニエルゥ、お前、そいつの味方すんの?」

「味方、敵、ドウデモイイ。りーだーガウルサクテ作業進マナイヨ」

「ダニエル・・・」

「お~い、新入りぃ!ダニエル「さん」だろうが!なっ、ダニエル?お前もこういう口のきき方されて、ムカつくよな?」

「ワタシガだにえるデイイ言ッタヨ。りーだー、スグニ仲間トカ、敵トカ、味方トカヤリタガル、ヨクナイヨ」

「あ~あ~、あんなに良くしてやったのになぁ~、あ~あ~、お前も結局X大生かぁ~、はぁ~、コーヒーまで奢ってやったのになぁ~」

「りーだー、ワタシノコト、ビンボウノガイジント思ッタ。見下シテ、子分ニシヨウ思ッテ、こーひー与エタ。ダカラワタシガX大ノ留学生トワカッテ、態度変エタ」

「ダニエルゥ、お前もオレのことバカにしてんだろ?オレが専門出身だから、バカにしてんだろ?」

「シテマセン。りーだーノ学歴ナンテ、ワタシ興味ナイヨ」

「はああああ!?ダニエルゥ、なんだぁ!?「ナンテ」ってのは、なんだぁ!?オレだってなぁ、ヤンチャしてなかったらそれなりの大学にいけてたんだよ。あ~くそっ、ヤンチャしてなかったらなぁ~、お前らみたいにガリ勉してたらなぁ~」

「はあ、ヤンチャ、ですか」

「ヤンチャしてなかったらなぁ~、 偏差値30 、なんてことになんなかったのによぉ~」

「そうですね。勉強しなかったら誰でも最初はそんな感じになるでしょうね」

「半年やってこれだったんだけど?」

「すごいじゃないですか!人によっては真剣に自殺を考えますよ!」

「・・・お前、バカにしてる?」

「いや、でも、そこから頑張って専門学校に受かったわけですよね」

「おうよ。わかる?オレがどんだけ頑張ったか。お前らにできる?オレ並の頑張り」

「さあ」

「お前らとはなぁ、意気込みが違うんだよ」

「りーだー、ワタシソノ自慢何回モ聞イタ。作業ノ指導スル気ナイナラ、アッチイッテホシイ」

「ダニエルゥ、お前、いつからリーダーより上の立場になったんだ?」

「ワタシ立場ノ話シテマセン」

「ダニエルゥ、オレはなぁ、リーダーに向かって偉そうな口叩けるだけの価値をよぉ、なあ、お前は会社とお客様にきちんと生んでるのかって話をしてんだよ!」

「何ヲ言ッテルノカワカラナイ。ワタシ与エラレタ仕事チャントヤッテマス」

「そんなもん誰にでもできんだろうがああああ!!それ以上のなぁ、価値を生まねぇと、意味ねーんだよ!」

「「それ以上の価値を生む」、ワカリマシタ。ワタシヤリタイノデ教エテクダサイ」

「なんでもかんでも聞いてねーで少しは自分の頭で考えろや!なあ、頭いいんだろ、X大生!」

「りーだーイツモ同ジ。教エナイ!考エロ!ウルサイダケ。アッチイッテホシイ」

「おい、新入り、お前はどうなんだ?」

「はあ、まあ」

「おいおいお~い、ありえねぇだろぉ~、いやぁ、さすがにありえねぇだろぉ~。お前ら、センパイの奥義(わざ)みて盗もうとか、そういうのないわけ?まっ、いいよ、別に、あっちいっても、けどさ、それでお前らどうすんの?え?お前らが困るんじゃないの?」

「困リマセン」

「ええええ!?まじぃ?はぁ~、ちょっとありえねぇわぁ~、お前らのやる気のなさ。さすがにキレっぞ?おい、お前らみたいのがいるとなぁ!他のみんなもなぁ!やる気なくすんだよ!迷惑かかんだよ!っんなこともわっかんねぇのかああああ!!」

「すいませ~ん、遅刻しちゃいました~」

「アハ!美人ちゃ~ん、いいんだよ、今こいつらに仕事教えてやってたとこだから。まだね、作業とか全然やってないの、大丈夫、大丈夫!」

二人「・・・・・・」


見捨てられ不安と賃労働

人は無職になると、いや、無職になると想像するだけで、どこか落ち着かなくなってくる。自分は何か悪いことをしているのではないか?何か取返しのつかないことをしているのではないか?みんなが会社で働いているときに、家にいる。人はそれだけで言いようのない不安と恐怖を感じるのである。

人類は数百万年の間狩猟採集生活を営み、最近になって農耕生活に移行したわけだが、集団行動が大切であるという点はどちらの生活でも変わらない。集団に受容されれば生存にも繁殖にも有利になるため(もちろん各人(の意識)が必ずしも「有利になるから」などと思っているわけではない)、人は自らの有用性・有能性を他人にアピールし、評判を高めようとする。集団に受け入れられると喜びで躍り上がり、仲間はずれにされると悲しみに沈む。人は自分が貴重な存在だと他人に信じさせ、集団に所属しようとするよう根底で方向づけられているのである。

ところで、現代人は一体どんな「集団」に受け入れられようとしているのだろうか。狩猟採集生活であれば、生まれた集団。農耕生活であれば、生まれた村。現代の生活では?幼稚園の友達?小学校のクラス?中学校のクラス?高校のクラス?部活の仲間?大学のゼミ?サークル?職場?このように、私たちは所属集団の複数化・リセット・変更を経験させられている。

それによって私たちは「集団」を確たるものと認識できなくなっている。たとえば職場を「社会」と言ってしまうように、それなりに具体性があるはずの集団に対し、「社会」に対するように何となく漠然とした感覚を抱く。所属集団が一貫せず、また定期的にリセットされたり勝手に変更されたりするため、「集団」の中身が曖昧になっているのである。

その一方で、スマホなどが普及し、いつどこで誰から誰に自分の評判がどう伝播するのかわからなくなっている。「集団」が確たるものでなくなったせいで、ただでさえ「受け入れられている」という確信を持てなくなっているのに!これじゃ今は安心できてもいつどんな形で仲間はずれにされるか、分からないじゃないか!所属を求める私たちは、このような環境を作ったことで、「見捨てられるのではないか?」という不安に付き纏われるようになってしまった。しかし、一体誰に見捨てられるのか。「集団」が曖昧になったせいでわからない。もし、万が一、何か、みんな/世間/社会が気に入らないことをしてしまったら・・・・・・。

この不安と恐怖から人々は賃労働に縋った。働いてさえいれば、みんな/世間/社会は自分を見捨てないはずだ!会社は賃労働という標を提供し、人々は救いを求めて満員電車・長時間の拘束・低賃金に耐え、給料以上の働き・サビ残に邁進した。これらは自らの有用性・有能性をアピールする絶好の活動ともなり、「社会貢献」「価値/金の創造」「成長」といった言葉と結びついた。

おわかりのように、これは偽りの救済である。だからどんなに頑張っても見捨てられ不安がなくなることはない。したがって「働いておけば見捨てられることはない!」という信仰は、遅かれ早かれ「働かなければ見捨てられる!」「もっと頑張らなければ見捨てられる!」に変化する。そして人々が「働かなければ見捨てられる!」という不安と恐怖に従って行動し続けた結果、働かないことが致命的となる環境が本当に実現してしまった。履歴書の空白を嫌い、無職の犯罪を積極的に報道し、生活保護をバッシングする。ネットはニートや無職への憎悪で溢れる。かつての友人でさえニートや無職には冷たい目を向ける。「働かなければ(みんな/世間/社会に)見捨てられる」が現実化したのである。

偽りの救済は確かに見捨てられ不安を棚上げしてくれた。しかし、その代償は大きかった。根源的な不安と恐怖に付け込まれ、賃労働の要求はますます理不尽になっている。人々は人生を労働に支配され、肉体的にも精神的にも消耗の度合いを強めている。ネット上には「ニートは屑!」と暴言を吐き、「正しい自分」を存在しない他人に向かってアピールする者たちがいる。ビジネスの世界には詐欺まがいの商売を「社会貢献」とアピールする者たちがいる。労働によって精神を安定させるどころか、錯乱し、もはや現実と虚構の区別もつかなくなっているのである。いよいよ賃労働の破壊的な面がむき出しとなり、デメリットがメリットを上回り始めたのである。「人は働かねばならない」は見捨てられ不安が生んだ幻想であることを認め、賃労働を減らす方針に転換する必要があるだろう。


もう手遅れ

「ねえ、これを見てくれよ」

「うわ、何それ、どうしたの?」

「わからない。ぼくも今さっき気づいたんだ」

「その位置にあって今まで気づかなかった、なんてありえないわよね」

「ああ、ごく最近できたってことだろうね」

「心臓の所にどす黒いあざ・・・」

「どうした、何か知っているのかい?」

「・・・ろーど病」

「なんだって?」

「私もよくわからないわ、ただ噂で・・・」

「それでもかまわないよ」

「できてから24時間が勝負らしいわ」

「勝負?それはどういう意味?」

「・・・・・・」

「まさか、死ぬとか?」

「命は死なないわ」

「どういうこと?」

「・・・・・・」

「オレ様の働きをバカにしてんのか!?おい、クソ女!てめぇ、オレ様が創った金で生きてる分際でなにだんまり決め込んでやがる!」

「はあ~」

「え、あ、ぼくは一体?」

「そういうことよ」

「くそっ、訳が分からない!とりあえず病院に行ってくる」

「いってらっしゃい・・・・・・その間に私は荷物をまとめておくわ」

「・・・さてと、とりあえず皮膚科でいいのかな。あのー、すいません、初診なのですが」

「申し訳ございません。皮膚科の方は大変混雑しておりまして、4時間ほどお待ちいただくことに・・・」

「4時間!?なんとかなりませんか?ぼくには時間がないのです」

「はあ、そう言われましても」

「昨日の朝着替えたときには胸にあざなんてなかったんです!昨日は、遅くまで残業して、深夜に帰宅して、そのまま寝てしまい、あざがいつできたかわからなくて、タイムリミットがいつかわからなくて」

「申し訳・・・」

「お~い、お前、オレ様の価値わかってっか~?オレ様の給料、時間に換算すっといくらかわかってっか~?4時間がこの社会にどんだけの損失をもたらすかわかってっか~?」

「はあ」

「おらおらおらぁ!お待ちになってるクソジジイにクソババア共、オレ様のために道を開けろや!なあ、なんも生産してないんだから当然だと思わねえか!?オレ様がお前らを生かしてやってること、忘れてんじゃねーだろうなぁ!?おい、損失の責任、お前らどう取るつもりなんだ!」

「ちょっと失礼します」

「なんだぁお前!?」

「警備の者です。こちらへ」

「あれ、ぼくは一体何を?」

「いいからこちらへ」

「は、離せ!」

「あっ、おい、待て!」

「・・・はあ、はあ、いったい何がどうなってるんだ・・・くそっ・・・こうなったら救急しか・・・ああ、なんでこんなことに・・・うっうっ・・・」

「はいこちら・・・」

「大変なんだ!胸に黒いあざができてしまった!早く助けて!」

「落ち着いてください」

「やばい病気なんですよ!いいか、このままじゃ社会がヤバイんだ!」

「はあ」

「はあ、じゃねーんだよ!お前、オレ様が給料以上の働きをしていないとでも言うのか?」

「何言ってるんですか?」

「お前は給料以上の働きをしてるのかって聞いてんだよ!」

「痛みはあるんですか?」

「ない」

「かゆみは?」

「ない」

「それでは・・・」

「うは、うは、うは。労働の邪魔にならないなら、いっか!」

「はあ?」

「あ、いや、その、ぼくは一体何を?」

「いたずらはやめてください。迷惑なので」

「待って!ぼくを見捨てないで!」

ツーツーツーツー

「・・・といった経緯でここにいるのですが、先生これは何なのですか?」

「ほぉ~、これは大変珍しいお話を聞かせてもらいました」

「この病気はそんなに珍しいのですか?」

「いや、そうではなくてですね、この病気は奥さんがおっしゃるように発症後24時間が勝負なのですが、とくに痛みもありませんから、多くの方は働いていて気づかずに何日も過ごしてしまうのですよ。それに、仮に気づいたとしても、きっとどこかにぶつけただけだろう、忙しいから後だ後、と無視してしまうわけですね。ですから、この病気が本格化するまでの、なんといいますか、移行期のお話というのは大変貴重なのです」

「それで、ぼくは治るのですか?」

「残念ですが、24時間経っているようですので、もう手遅れということに・・・」

「なんだとぉ!?おい、お前いくら貰ってここにいるんだ?なあ、ブタ野郎、給料以上の働きをするのが人間の常識だろうが!手遅れってのはどういうことだ?オレ様の働きが無意味だったと言うのか!?」

「いいえ、これからも思う存分に働き、社会に貢献することができますよ」

「うは、うは、うは。お前はオレ様と同じぐらい働いてるから、許す!」

「それはどうも」

「はっ、ぼくは一体・・・」

「まあ、そういうことです。大丈夫、すぐに慣れますから」

「慣れる、というと?」

「・・・・・・」

「あの、先生、慣れる、というのは?」

「大丈夫、死にはしませんから」

「先生、ぼくはどうなるんですか?」

「・・・・・・」

「先生!ぼくはどこにいってしまうのですか!?」

「・・・・・・」

「おい、医者!お前はどこに行くんだ?」

「もちろん会社に行きます」

「うは、うは、うは。正しい答えだから、許す!そんじゃな」


プロフィール

Author:hachapin
読みたい本が山積みなのでニートしてます。

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