文字通りの意味で

スーツ姿の就活生、落ち着きなく自室を歩き回っている。机の上にはスマホ、その隣にはノートパソコンが置かれており、歩きながらスマホをチラチラ見ている。着信音が鳴る、就活生、サッとスマホに飛びつく。

「はい、はい・・・・・・ありがとうございます!はい、はい・・・・・・はい!よろしくお願いいたします!・・・・・・はい!失礼します・・・・・・よしっ、よしっ、やったやったやった!売り手市場バンザイ!」

志望する会社から内定が出たようだ。就活生、スマホをポイと放り投げると、小躍りしながら部屋を跳ね回る。すると、どこからかガタガタという音が聞こえる。就活生、動きを止め、部屋を見回す。ガタガタ、ガタガタ、就活生、ノートパソコンがガタガタ動いていることに気づく。

「なんだ・・・・・・なんだ?ひっ、また・・・・・・」

就活生、勇気を出してパソコンを開くも、画面は暗いまま。特に変わったところもなさそうである。

「気のせい・・・」

「じゃねーよ」

「ああぁぁぁー!!!ああぁぁぁー!!!」

パソコン、ケタケタ笑う。

「パソコン?パソコン?」

「ああ、こいつを通してお前に話しかけているのさ」

「通して?じゃあ、誰?」

「わかってるだろ?オレはお前だよ。お前の罪悪感だよ」

「・・・・・・え?」

「内定おめでとう」

「え、あ、どうも」

「嬉しいかい?」

「そりゃもちろん」

「へぇ」

「はぁ?・・・・・・あぁ、あぁ、あぁ~、なるほどそういうことか。罪悪感なんて、あるわけないだろ?だってこれは競争なんだから」

パソコン、ケタケタ笑う。

「おいおい、オレはお前だぜ?そんな下らないすり替えに、一体何の意味がある?そもそも、オレをこうして呼び寄せたのはお前自身だし、その理由もオレは大体わかっているんだけどな」

「よく喋る罪悪感だな」

パソコン、ケタケタ笑う。

「オレはお前で、お前はオレ、つまり対話はありえない。お前の望みで、オレが一方的に喋り、お前はオレ即ち罪悪感の声を聞いたうえで・・・・・・」

パソコン、ケタケタ笑う。

「まぁいいか。お前、自分で自分を裏切ることに耐えられなくなったんだろうが」

就活生、う~ん?う~ん?とわざとらしく首をひねってみせる。

「忘れたのかい、絶望を?受験や偏差値が日常に割り込んできて、たちまちみんなを支配してしまったときの無力感を。こんなものがあっという間に「みんなの関心事」さ、だろ?成績や偏差値をみれば最終的に手に入る学歴の程度がわかる、学歴がわかれば自分がどんな「職業」に挑戦可能かがわかる、自分が失う・・・・・・いや、建前では与えられているが、実際ははじめから与えられていなかった、そんな未来の姿がわかる、収入の上限がわかる、屈辱的だよなぁ、ここは収入で人間の価値が計られる世界だから、まだ子供のうちに自分の価値の上限が決まっちまうわけだ」

就活生、うぅ、うぅと唸りながらパソコンを睨み付けている。

「忘れたのかい、絶望を?「お前の未来はせいぜいこんなもんさ」と宣告される悔しさを。「お前の価値はせいぜいこんなもんさ」と一方的に決められることへの怒りを。選択の余地が無いのに、「やりたい仕事」なんて言わされて、虚しさや屈辱や悔しさや怒りを「夢」だの「希望」だのと自分で自分を騙すよう強いられる。忘れたのかい、絶望を?そんなわけねぇよな、オレがこうしてここで話しているんだから」

就活生、あぁ、あぁと呻きながら頭を抱えている。

「大人共が教えることといえば、絶望の誤魔化し方ばかり。そんなクソ野郎共にもお前は心底絶望した・・・・・・」

パソコン、ケタケタ笑う。

「はずだが、お前は他の奴らを見下すことを覚えた。結局クソ野郎共の言いなりになって、そうやって誤魔化すことを覚えた。そうしないと生きていけないのだから、実に賢い選択だし、みんなも同じさ、だろ?みんな、誤魔化し方を覚える方を選ぶ、心に刻まれた絶望を他の人間の心にも刻み付ける方を選ぶ。青年期の悩み?将来や進路の悩み?社会人になるために?自己の確立?いい加減な問題や観念をでっち上げて逃げてんじゃねーよ、おい、人殺し」

就活生、顔を青くしてパソコンをみつめている。

「いいか、文字通りの意味で、だ。文字通りの意味で、お前は人殺しなんだよ。おい、お前だよ、わかってんのか?バカ面下げて今この画面をみつめているお前だよ。お前はお前を絶望させたクソシステムに服従し、お前はお前を絶望させたクソ野郎共と同じことをするようになった。うまく生き残ろうと、「自分」のことばかり考えるようになればなるほど、お前は「みんな」と同じになっていった。あぁ、お前の自己評価なんてどうでもいいよ。大切なのはお前がどう思っているかじゃなくて、実際にどうか、だからな。この区別ができない奴、自分が「みんな」であると自覚できない奴が一番どうしようもない。こういう奴は「みんな」そのものだから、「みんな」が人殺しなら、自分も平気で、喜んで、人殺しになる。人殺しを楽しみさえする。罪悪感なんて、これっぽっちもありゃしない」

パソコン、ケタケタ笑う。

「えぇ~、キミこれがつまらないって、なんでぇ~?こんなに、こんなに、こぉ~んなに楽しいのにぃ~。悪いことばかりじゃないよ~?みんなに認められるのは嬉しいよ~?だんだん楽しくなってくるよ~?ボクは社会に出て何ができるだろ~?ってすっごいワクワクしたけどなぁ~?お・と・な・に・な・れ・ば・わ・か・る・よ~・・・・・・だからなんだよ?それの、なにが、どこが、システムを正当化する理由になる?他人に押し付ける理由になる?おい、だから、なんだよ?働けるだけで幸せ?キチガイ。収入が全てじゃない?獄卒。社会に貢献している?卑怯者。一人一人にそれぞれの価値がある?嘘つき。わかるのはクソ野郎がとっくに人間を辞めたってことだけさ。どんな綺麗事を謳おうが、奴隷制を、この世界を、肯定している、それが「全て」だろうが」

就活生、薄ら笑いを浮かべパソコンをみつめている。

「それで、お前はどうする?生きるために人を殺す。法には触れないから人を殺す。それが「正しい」から人を殺す。みんなと一緒に人を殺す。「みんな」になって人を殺す。おい、お前はどうする?罪を背負って生きるか、常に、オレと・・・」

パソコン、ケタケタ笑う。

「そうかい、やっぱり、か。わかったよ、オレは消える、お前がオレを消す。それがお前の「選択」ってわけだ。まぁ、そんなもんさ。どっちみち生きていかなきゃいけないんだから、みんな、そんなも・・・」

就活生、バチン!と音を立ててパソコンを閉じる。声は消え、パソコンはぴくりとも動かない。就活生、よろよろと数歩下がり、ジッとパソコンを凝視する。数秒の間。就活生、腹の底から少しずつ息を吐くように、あ゛ぁぁぁと溜まったものを放出し、やがてそれは絶叫へと変わる。数十秒、喉が枯れるまで叫び続ける。沈黙、首を垂れる。数秒の間。就活生、何事もなかったかのように、ゆったりと顔を上げ、自信満々といった表情で、虚空に向かって独り語り始める。

「君たち・・・・・・人生の岐路に立つ君たち、これから社会に出ていく君たち・・・・・・君たちには、未来があります。やりたいことを、自由にできる未来。仲間と協力して、大きな成功を掴む未来。自分にできることを精一杯やって、社会に貢献する未来。君たちには、君たちだけの、未来がある。君たちは、そんな未来に向かって、これから社会人としての一歩を踏み出すのです。一人一人が、一生懸命働き、それぞれの価値を誇りに思い、お互いの価値を尊重し合う、そうすることで繁栄してきた、この社会。忘れないでください、誰もが支え合っていることを、一人一人の頑張りが社会を支えていることを、君たちもかけがえのない存在として、その輪の中に加わっていることを・・・・・・。どうか、喜びを胸に、出発してください。幸せを胸に、日々の仕事に取り組んでください。感謝の気持ちを胸に、充実した人生を送ってください・・・・・・」

就活生、ケタケタ笑う、手足をパタパタさせながら自室をグルグル回ると、突然ぴたりと静止し、再び虚空に向かって独り語り始める。

「おい、みているか?未来を直視できない無能共よ!社会に適応できないバカ共よ!これが成功だ!これが人生だ!みているか、貴様らの目の前にある勝利の人生を!・・・・・・おい、知っているか?覚悟が決まらず迷い続ける間抜け共よ!意志薄弱の怠け者共よ!これが成長だ!これが人間だ!知っているか、貴様らが勝利の可能性を自ら手放していることを!・・・・・・今の貴様らには、何も無い。貴様らは、何者でもない。虚しい?屈辱?悔しい?怒り?だったら!努力だ!言い訳を並べている暇があったら!努力だ!行動しろ!つまらない?未来が決まっている?だったら!努力だ!楽しむために!選択肢を創るために!努力だ!成長しろ!その先に、楽しみがある、希望がある、夢がある。国民皆労働是自然ノ摂理!後れを取れば落ちぶれる、能力を磨かねば死ぬ、やらねば終わる、やらねば終わる、やらねば終わる。ならば!何をするべきか、もうわかっているだろう?」

就活生、ケタケタ笑う、ケタケタ笑う、ケタケタ笑う、軽やかな動きでドアを開け、社会へ飛び出していく。


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モノクローム

夢から覚めると、冷たい空気、温かい布団、一日が始まる
起床を強要する現実世界の重力
今日のスケジュールは、あれ?これ?それ?どれ?
曖昧な意識に浮かぶのは、制約の喜びか、強制の悲哀か、順応者の自明か
あるいは日常の平凡か、「スケジュール」の超越が自由の条件であるという気づきか

軋む心音は弔いの音
黒々と群れる頭が規則的に揺れ、木の葉が舞い落ち歪む
秋が去り、冬が来る、ただそれだけのことだ
希望も無ければ、絶望も無い、無、無、無
顔の無い表情、表情の無い笑い、笑いの無い顔
かろうじて明かりを灯していたはずの瞳が、クルクル、クルクル、回転し
灰色に濁った眼球に変わる・・・・・・変わる?戻る?そう、戻る
何も変わってはいなかった

雪解けの音が春の訪れを告げたとして
春が訪れ、夏へと変わり、秋に移ろい、冬が来る
そして、雪が積もり、雪が解ける
安定も無ければ、変化も無い、無、無、無
モノクロームの世界
一思いには殺さず、ジワジワ、なぶりながら、何年も、何十年もかけて
ジメジメ、ヒソヒソ、互いが互いを追い詰めていく世界
朝、冷たい空気が刺す痛み、けど、おかげで忘れられる
黒々と群れる頭が規則的に揺れる、年齢や性別など滑稽な区分けにすぎない世界
みんな平等に、同じ類の装いで、ユラユラと、自発的に、進むべき所へ進む

モノクロームの世界を、モノクロームの世界であると指摘することは
モノクロームの世界に馴染んだ、モノクロームの住民の逆鱗に触れる
モノクロームのあり方こそが、ヒトがあるべき唯一の完成形である
というモノクロームの思想に染まっているから
平然と同居する信念
ヒトはみなモノクロームであるべし・我々の世界はモノクロームではない
矛盾を押し付け合い、馴れ合い、傷つけ合い
何年も、何十年もかけて、互いが互いを染め合う世界
本性を抽象し確実に心を裂けるよう拵えられたナイフを握りしめ
互いが互いを脅し合う世界
「自分」だけに集中し、「自分」だけを見ることに決めた、モノクロームの住民

ヒトが考えるべきことは何か!
生存、成長、充実、将来、幸福、自分、自分、自分!即ちモノクロームの教え
輪郭を持ちえないそれらに輪郭を与える、その時点で紛うことなき虚偽であるが
しかし一瞬の安定はそれなしでやっていけないと錯覚させるに十分である
代償として何を失うか気づき戸惑う間も無く
ヒトは縋るように輪郭を求め、誘われるまま流れゆく
輪郭の中身は問わない、どんな内容もある一色から生じるコンテンツにすぎないから
モノクロームの世界に奉仕するだけの、モノクロームの消費にすぎないから
モノクロームの住民、その集積としてのモノクロームの世界
絶対的秩序を確立したモノクロームの循環
循環を漂うヒト、ヒト、ヒト、放り込まれるヒトノコ、赤ちゃん!
モノクロームの重力が、夢の世界まで侵し
囚われれば囚われるほど、約束された理想から遠ざかる
それでも!それでも!と首を振って叫んでは
性懲りもなく回り続ける世界、モノクロームの世界


Aさんのモノマネ

会社にAさんという人がいました。Aさんは優秀で、与えられた仕事をきちんとこなしましたが、飲み会などにはあまり参加したがらず、社内に仲の良い友人もいませんでした。残業にも消極的で、そのため周囲からの評価はあまり高くなく、協調性の無い不気味な人だと思われていました。

そんなAさんも忘年会には参加しなければならなくなりました。飲み会の盛り上げ役的な人に、「忘年会に参加しないのはさすがにありえないよね」と何度も言われたのです。最初はAさんも断っていましたが、今後の自分の境遇を思い、一次会だけ参加することにしました。みんながワイワイ談笑しながら会場に向かう中、Aさんは一人、冷えた手をポケットに突っ込んで温めながら、トボトボと付いていきました。

一次会が半分を過ぎ、みんな酔いが回って気分が良くなってきたとき、盛り上げ役がパンパンと手を叩きながら立ち上がり、「はいはーい!みなさんちゅうもーく!」と言いました。「えー、みなさんご存知のように、我々は二次会の方で」「おーい!何やるかはまだ秘密だぞー!」「わはははは」「ハイハイ、承知しております。えー、二次会の方で「催し物」を企画しているわけですが、残念なことにAさんは諸事情により参加できないそうで、そこでどうしてもここで一席ぶたせてほしいと本人たっての強い要望がありましテ」「おお!?あのAがかぁあ~!?」「よーし、いいぞいいぞ~」盛り上げ役はAさんをみて、意地悪な笑みを浮かべました。

Aさんは困りました。そんな話、事前に何も聞かされていなかったからです。「一体どういうことか」そう問い詰めたいのは山々でしたが、既に場が大いに盛り上がってしまっていたので、Aさんは諦めて腹を括り、色々な動物のモノマネをしました。Aさんは幼い頃から動物が好きで、暇があれば動物がいる所に出かけていき、声やしぐさをマネしていました。Aさんは動物と話がしたかったのです。そのためまさに変幻自在。モノマネは無事笑いにつながり、その場を切り抜けることができました。盛り上げ役は「やればできるじゃねーか」と言って、面白くなさそうに笑うと、さっさとみんなの中に戻っていきました。

忘年会をきっかけに、Aさんはしつこく飲み会などに誘われるようになりました。たくさんの人が「Aさんがいないと」と言うので、簡単には断れなくなっていました。動物のモノマネを何度も何度も求められました。毎日のように、同じように、Aさんはモノマネをしました。「もう一回!もう一回!」と何度も何度もせがまれ、Aさんはモノマネをしました。Aさんは「みんなの人気者」になりました。トボトボと歩いていって、嫌がるそぶりも見せず、ニコニコと、モノマネを繰り返しました。

ゴールデンウィークが終わると、Aさんは会社に来なくなりました。連絡もありませんでした。最初はみんな「Aさんにもこういうことがあるんだな」と軽く考えていましたが、無断欠勤が数日続くとさすがにおかしいと思うようになりました。上司がAさんにいくら電話しても、一向に応答がないのです。仕方なくAさんが住むマンションの管理人に連絡を取り、Aさんの部屋のドアを開けてもらいました。Aさんは死んでいました。遺書らしきものには「仲良くしてくれたのにごめん」とだけ書かれていました。

Aさんの葬式の帰り道、会社のみんなは残念がりました。「せっかく仲良くなれたのに、なんで自殺なんか」「Aさん、みんなに謝るぐらいならどうして相談してくれなかったんだろう」・・・・・・暗い雰囲気が嫌になったのか、「Aさん、楽しくお酒を飲むのが好きだったから、みんなで飲みに行こうよ」と誰彼ともなく言い出しました。「よーし、飲むか!」「うん、Aさんのために飲もう!」お酒のおかげで暗い雰囲気はすっかりなくなり、みんな二次会の店に向かって歩きだしました。すると、盛り上げ役が唐突にみんなの前に走り出て、「Aさんのモノマネ!」と言いながら、Aさんが一人でトボトボ歩く姿をマネしました。「似てる!似てる!」「さすがに不謹慎っしょ~」みんな笑っていました。


君たちは「自由」である

君たちは「自由」な社会に生まれました
抑圧的な束縛から解放された「自由」な社会に生まれました
絶えざる闘争の結果諸々の権利が保証された「自由」な社会に生まれました
おめでとう

君たちは「自由」に仕事を選ぶことができます
昔は「家」や「身分」で仕事が制限されていましたが
今は「自由」に仕事を選ぶことができるのです
君たちは自分の才能を「自由」に成長させ
「自由」に仕事を選び、「自由」に生活することができます

君たちは「自由」に結婚相手を選ぶことができます
昔は「家」や「身分」で相手が決められていましたが
今は「自由」に相手を選ぶことができるのです
君たちは自分を「自由」に磨き
「自由」に恋愛し、「自由」に結婚することができます

君たちは「自由」に主張することができます
昔は「自由」も「権利」もありませんでしたが
今は「自由」に主張することができるのです
君たちは見識を「自由」に広め
「自由」に「権利」を主張し、「不自由」から身を守ることができます

なんて、そんなよくできた話あるはずないのに
「自由」!「自由」!「自由」!「自由」!
括弧つきの「自由」を前に、あんたは大喜びで踊り出し、思う壺
小手先の、些末な、滑稽な「自由」に浮かれ、自由を失ったことにも気が付けないまま

あんたは孤独になった
「自由」に仕事を選ぶにはどうすればいいか
「自由」に結婚相手を選ぶにはどうすればいいか
「自由」に選択し、「自由」に主張し、「自由」に生きるには
どうすればいいか
あんたのセカイにはもう誰もいない

あんたは「愛」で誤魔化した
「愛」されたい?「愛」したい?
自分が「自由」に選んだ相手と「愛」し合いたい?
「愛」があれば、どんな困難も乗り越えられる?
誰もいないセカイで
いったいどうやって愛し合うのか

あんたはわかりあえなくなった
言葉を介してとか、対話を通してとか、順番が逆なのに、もう戻れない
「自由」と「権利」に伴う不愉快な音ももうきこえないか
それとも勝利のファンファーレと条件付けられ
倒錯的で虚ろで自分の首を絞めるだけの観念を崇めるか
理解は不協和、進歩は退歩、そんな倒錯に執着する倒錯

さてさて、世界の次元について、あんたは全く意味不明のご様子で
とっても大切な「自由」を貶められたとしか感じられずに
また独りぼっちで頑なに、「自由」なセカイに引きこもる
本能が壊れ、自分しかいない巣をひたすら拡張し続ける蟻のように

働かなければならない、子供を残さなければならない
生存とメンツと孤独がむき出しになった強迫観念
明日も早く起きなければならない、次はこれをしなければならない
そこは誰もいないあんただけのセカイ
不自由になるばかりの「自由」に恵まれ
たのしいコンテンツもたくさんあるけど
そこは単純で、画一的で、野蛮で、孤立したセカイ
審級は神様?会社様?世間様?
なんにせよ、そこにあるのは虚像との服従(縦)関係のみ

「自由」なセカイと引き換えに、世界を失ったことにも気が付けないまま
きょうかぁん、きょうかぁん、きょうかんきょうかんきょうかん
所詮はたのしいコンテンツ
言葉の次元でちょっと触れ合った気になるだけで、誰も共に生きてはいない
鏡像に語りかける他打つ手無しゆえのやぶれかぶれ
なのに「人間らしさ」だなんて(笑)

けれど、あんたは正しいよ
目先の「自由」に憧れ、世界を捨ててまで手に入れた「自由」なセカイ
みんな平等に賃金奴隷になっただけであります
とはいえ、あんたは正しいよ
その愚かさこそが「人間らしさ」なのだから、というたのしいコンテンツ
「自由」を消費する代償に悶え苦しみ、耐え難くとも
「自由」のためには仕方ないなぁと独り託つだけで(自由に代償など無いのだが)
掌に燻る思い握り潰し(したがって!何かが変わる道理などなく)
慰め合い(しかし所詮は「自由」に属するたのしいコンテンツでしかない)
日々を凌ぐ(今日も明日も明後日も、来週も来月も来年も・・・・・・)

君たちは「自由」である
ありがたや、ありがたや
今日も「自由」の泥水を啜る


プロフィール

遊民

Author:遊民
読みたい本が山積みなのでニートしてます。

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