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たすけてたすけてたすけてよ

「たすけてたすけてたすけてよ
 わたしをいますぐたすけてよ
 たすけてほしい けどだれに?
 たすけてほしい けどなにを?
 だれにもたすけてほしくない
 なんにもたすけてほしくない
 たすけてたすけてたすけてよ
 わたしをいますぐたすけてよ」

「それは何だい?」

「たすけてほしい歌、とか?」

「結局助けてほしいのか、ほしくないのか」

「助けてほしくない、けど助けてほしい」

「助けてほしいけど誰も何も助けられないとわかっている」

「あえて言語化するなら、明日が来るという事実から助けてほしい」

「なら死ぬしかない?」

「けど生きたい、これは矛盾?」

「矛盾してないよ。「あんたらが押し付ける明日」が来るという事実から助けてほしいってことだろうからね」

「死にたくても 死ねやしない
 死ぬまでもなく ずっと死んでいるから
生きたくても 生きられやしない
生まれた瞬間から いつも殺されているから
死ねやしない 現実は不死の存在
生きられやしない 現実は宙吊りの存在
 だから今日も 恋の悩みにすり替える 仕事の話に置き換える
 誰もたすけられやしない 私を殺す当の相手に
 たすけを求める? ありえない」

「たまにね、誰もいない夜の河原に行きたくなるんだな。そこで一人座っていると、涙が溢れてきてね、叫びたくなるんだよ。誰か助けてくれ!誰か助けてくれ!ってさ」

「一人になりたい?」

「けど一人になりたくない、これは矛盾?」

「矛盾してないよ。自分を殺さない人間がどこかにいると信じたいってことだろうからね」

「「個」に分けて、自分以外の「個」を厄介な何かにする仕組み。これこそ矛盾さ」

「矛盾、矛盾って中二病?」

「中二病・・・・・・ふふふ、みんな、中二病なり、思春期なりを、ちゃんとクリアしたと思っているようだけど、実は押し込めてるだけ。不条理をひたすら我慢するだけだなんて、そんなの単なる退行じゃない?腑抜けたお子様の似非解決だよ」

「忌まわしい日常と化した厳しい競争からたすけてほしい?」

「競争に負けるのが嫌だとか、誰かと競争したくないとか、そういうのじゃないんだなぁ。なんていうか、みんなが苦しむだけでほとんど誰も得をしないのに、やりたくない・・・・・・文句を言うな!・・・・・・たすけてほしい・・・・・・ごちゃごちゃ言うな!・・・・・・互いに互いを縛りながら、それでも続ける滑稽さ、この途方もなく無力な虚無感。たすけてたすけてたすけてよ、お願いだからたすけてよ」

「あ~あ、本当に、あまりにもバカバカしくてやってられない。毎日毎日、正論、正論、正論、正論、キチガイ道徳に照らせば濁流の如く押し寄せてくる諸々の矛盾は全て正論なのでありますが、しかしキチガイにとっての正論は「人間」にとっていかなる意味を持ちましょうか?」

「また仕方がないとかほざいてらぁ」

「今日も夢から覚めやしない、だからお願いたすけてよ」

「学校や会社をバカにしていい気になってる奴らも、「好きなことを仕事にしてカネを稼ぐ自由」に魅了されて骨抜きさ。学校や会社なんかよりもっとずっと巨大な不自由に絡めとられたことには気づこうともしない」

「画一性をバカにするってことは、結局は逃げたってことだからね、所詮そんなもんさ。それで自分は違うことにしようとすれば、もっとずっと巨大な画一性に染まらなきゃいけない。否定はすなわち「それ」の肯定。こんなチンケな落とし穴に、一人、また一人と嵌っていくのを見れば、嫌でも悟らざるを得ない・・・・・・誰も本気じゃなかったんだなって」

「理想へ近づこうと思ったら、中二病とか、仕方ないとか、そんな生温い言葉じゃ片づけられないはずなんだな」

「知らなかっただけなんだってさ」

「ふ~ん、ずいぶん自分に甘いのね?」

「本当は知ろうともしなかった」

「毎日触れているのに、知ろうともしなかった」

「知らされたとしても、知る気なんてなかった」

「みんなが「知らない」ことで効力を発揮する言い訳をみんなで使って、散々好き放題やっておいて・・・・・・ばれてんだよ?知りませんでしたで済むはずないじゃない?こんなしょぼい落とし穴、知りませんでしたで通るはずないじゃない?」

「だって、知らなかったんだ!知らなかっただけということは、つまり悪気はなかった、そうだろう?こっちだって騙されてた・・・・・・つまり君と同じ被害者なんだよ?こんなに苦労して・・・・・・いや、苦労させられて・・・・・・それが罪を重ねていただけだなんて・・・・・・あんまりじゃないか!」

「日々正論に従い、苦労し、努力し、他人も社会も傷つけ殺す。あんたらはどうせ「また」逃げるよ、罪を認めることもなく、罪を贖うこともなく、苦労と努力が免罪符。けどあんたらは正しい、なぜって、あんたら自身がそれを決められるんだから」

「触れるたびに拒絶して、空論と忘却する都合のよろしいその精神」

「言い訳を確保しようと毎日毎日従って、人間の弱さだのなんだの、ごちゃごちゃごちゃごちゃうるせぇよ。「弱い」のは「あんた」で全部「あんた」がやったってだけの話なのに・・・・・・それでも、まだ、人間ヅラ?」

「たすけてたすけてたすけてよ
 お願いだからたすけてよ
どこにも人がいやしない
正論だらけの夢の世界
みんながみんなで誰かを殺す
みんながみんなで私を殺す
たすけてたすけてたすけてよ
夢の世界からたすけてよ」


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