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オマエ ノ ネガイ ヲ カナエテアゲル

「おい、君の上司、Aさんなんだってな」

「うん、それが?」

「それがって、知らないの?あの人、地獄の鬼なんだってよ。今まで何人もやめさせてるらしい」

「そんな・・・・・・ようやく会社に入れたのに・・・・・・」

「ここだけの話、中には自殺した人もいるってよ。へへへ、まぁ気を付けてうまく生き残れよな」

・・・・・・

「はぁ~~~~(Aのわざとらしいため息)」

「あの・・・・・・」

「あ~あ。あ~あ。あ、あ、あ~あ(A、書類をパラパラしながら、わざとらしい落胆の所作)」

「あの、一体どこが問題なのでしょうか?」

「(唐突に書類から顔を上げ、真顔で目を直視)なめてんの?お前?」

「え?」

「社ッ会人なんだと思ってんだっつってんだよおおおおお!?!?!?(バンバンバンと机を叩く)ふざけてんの?おい?社ッ会人だよ社ッ会人、社ッ会人ってなんだよ?(書類をクルクル丸めながら立ち上がり、近づいてくる)」

「えっと、社ッ会人とは・・・」

「んなこと聞いてねえええええ!!!(書類で引っぱたくとみせかけたグーパンチ)」

「ぐぇっ!!ちょ、ちょっと待ってくだ・・・」

「(キョトンとした表情で)ちょっと待って?社ッ会人にんなもんねえええええ!!!(書類の束を投げつける)」

「ごめ、ごめ、ごめんなさ・・・」

「こぉえぇがぁちいせぇえってんだよおおおおお!!!(興奮したサルのように跳ね回って机をバンバンバンバン)」

「ゴメンッサァイ!ゴメンッサァイ!今すぐやり直します!」

「適当な仕事しやがって、お前、終わるまで帰れねーからな?(わざと視線を外してすっとぼけたような表情で)あ~あ、あ~あ、お前が無能なせいで今日帰れね~わぁ~」

「スィマセンッシタァッ!スィマセンッシタァッ!」

「あ、できないなら別にいいんだよ?(後ろに回ってニコニコしながら微妙な力加減で肩に手をのせる)無理せず(肩をモミモミ)、ここから飛び降りても?(不穏な笑顔を顔のすぐ横まで近づける)なあ?(常識だろ?と言わんばかりの表情で)もちろんそんぐらいの覚悟あるよなぁ?社ッ会人だもんなあああああ!?!?!?(この世の終わりを表現するような勢いでヘドバンしながら机をバンバンバンバンバン)」

「ゴメンッサァイ!社ッ会人としての責任を取って最後までやらせていただきまァすっ!!」

「ハイハイ、お前が、今、自分で、やるっつったんだからな?終わるまでずっと見てるからな?(一瞬の間、背中をバシッと叩く)」

 こんな調子で一か月が経過した。

「A君、ちょっと」

「はあ、なんでしょう?」

「新人を鍛えたいのはわかるけど、ほどほどにしてくれないと。彼、ついに会社に来なくなっちゃったじゃないか。連絡もないし、こっちから連絡しても出ないし」

「仕方ないでしょう、弱い奴は死ぬ、これが我々社ッ会人の掟じゃありませんか」

「しかしねぇ」

「ここで逃げたということは、遅かれ早かれ、あいつは死んだってことなんですよ。結果がすぐに出てあいつにとってもよかったんじゃないですか?」

 A、さっさと席に戻る。

「さてさて、今日はあの負け犬の埋め合わせを・・・・・・ん?なんだこれ、手紙?」

ガンバルモノ ハ ムクワレル。オマエ ヲ イッショウ ハタラカセテアゲル

「チッ、さてはあの負け犬のイタズラだな、ふざけやがって、誰がこんなもん怖がるかっつーの。あ、ねえねえ、これ見てよ、くだらないと思わない?」

「はあ、その紙がどうかしたんですか?」

「え?ホラ、これ、これ。センスないよなぁ、こんなの」

「はあ、ただの紙なんですけど。どうかしたんですか?」

「・・・・・・アハハハハ、そうだよね?こんなのただの紙だよね?アハハハハ」

 その日の夜。

「んっ、んっ~誰もいない・・・・・・もうこんな時間か。今日はこれくらいにして帰ろう。終電間に合わな・・・」

「社ッ会人なんだと思ってんだっつってんだよおおおおお!?!?!?(バンバンバン)」

「ぐぁあああああ!?!?頭が、頭があああああ!!!」

「んなこと聞いてねえええええ!!!」

「(書類で引っぱたくとみせかけたグーパンチをくらったような感覚)ぐぇっ!!痛ぇ!!ちっくしょうなんだこれぇ!?あの負け犬の仕業かぁ!?野郎、みつけだしてぶちのめしてやらぁ!!(この野郎出てこいなどと喚き散らしながら社内を探し回る、荒らし回る)・・・・・・え・・・・・・なにこれ?ちょっと待って」

「社ッ会人にんなもんねえええええ!!!」

「ひぃっ!!アタマ、アタマ、アタマの中で!?!?(書類で引っぱたくとみせかけたグーパンチをくらったような感覚)イタタタタ!やめてくださぁい!ごめんなさぁい!」

「こぉえぇがぁちいせぇえってんだよおおおおお!!!(バンバンバンバン)」

「ゲリピピピピ!!じゃあ一体どこに向かって謝ればいいんですかぁ!?!?」

「あ、できないなら別にいいんだよ?無理しないで」

「(嫌悪感を催す存在に密着状態で肩をモミモミされるような感覚)ぎゃあああああ!!全身が気持ち悪ぃいいいいい!!(身体をかきむしりながら床を転げ回る)ふざけんじゃねーよマジでイッショウ・・・・・・一生?」

「社ッ会人だもんなあああああ!?!?!?(バンバンバンバンバン)」

「頭の中で机を叩かないでくださぁあああああいっ!!!痛い痛いアタマが破裂するううううう!!誰か!誰か助けてえええええ!!!」

「終わるまでずっと見てるからな?終わるまでずっと見てるからな?終わるまでずっと見てるからな?終わるまでずっと見てるからな?終わるまでずっと見てるからな?終わるまでずっと見てるからな?終わるまでずっと見てるからな?終わるまでずっと見てるからな?終わるまでずっと見てるからな?・・・・・・」

 A、半狂乱状態で社内から退場。そして一週間が経過した。

「あ、A君!一体どこで何をしていたんだ!一週間も無断で・・・・・・え?君は・・・・・・本当にA君?」

 A、ユラユラと近づいていく。

「あ・・・・・・あ・・・・・・たいへん、もうしわけ・・・」

「社ッ会人なんだと思ってんだっつってんだよおおおおお!?!?!?(バンバンバンバンバン)」

 A、白目をむいて電気ショックをくらったようにビーンッとのけぞる。

「アタマ・・・・・・アタマ・・・・・・アタマの中・・・・・・」

「責任を取って、ここから飛び降りても、いいんだよ?」

「ゴメンッサァイ!社ッ会人としての責任を取って今すぐアタマを直し最後までやらせていただきまァすっ!!」

「は?」

 Aはエドモンド本田のような体勢で頭から窓に突っ込んだ。社内にはAの叫び声と窓の割れる音が響き渡った。


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